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中学生の時に行った職業体験がクソだった話


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オレが労働に対し興味や関心を抱けないのは中学2年生の時期に行った職業体験の受け入れ先にも原因があると思う。


それが上記の画像の店「ナヴォーナ」だ。


職業体験の受入れ先はそのほとんどが飲食店で一部工場等があった様に思う。うろ覚えであるがジャンケンで勝った班から順々に受け入れ先を決めていった。どこが良い受け入れ先かなんて見当もつかないので皆何となく興味のある業種とか名前の語感なんかで選んだりする。


オレ達の班の行く先は「ナヴォーナ」とかいうイタリアンレストランになった。


その後ナヴォーナへ生徒のみで職業体験前の顔合わせをしに行き店主のババアから軽い説明みたいなものを聞く。顔つき的にお局タイプのイケすかないババアでこの時点でオレは「オレとは合わんな」と感じていた。


職業体験当日、店には店主のババアと厨房の大学生バイト2人の計3人がいるだけで、オレ達の傍に付いてマトモに"職業体験"というモノを経験させるためのインストラクター的な余分な人員が全く存在していなかった。


オレの班の女子2人はバイトの大学生とイチャつきながら楽そうな厨房に入り、もう1人の男子は配膳係、そして何故か1番不向きそうなオレに接客のポジションが割り振られる。


冒頭で軽い説明を受けただけの状態で接客とは具体的にどうやって何をすれば良いのかなんてサッパリ分からない状態の中学生のオレに対しメニューだけを手渡し、いきなり表舞台で客から注文を取って来いと言う。


そのあと作業着を着た客が入って来たので仕方なく注文を取りに行った。


テンパるオレ、第一声に何を発して良いのかが分からず何故か客に対し自分が広島市立古田中学校から来た職業体験の中学生である事を述べ始める。その発言により「オレは無理だから他の人間を呼んで注文しろ」と遠回しに言いたかったのだ。


察されるハズもなく「いや、メニュー」と返される。


オレはムリなので厨房にいる大学生のバイトを呼び注文を取らせた。


その後の事はよく覚えていないがたぶん放置されていた様に思う。ただバカな母親だけがこの店にドリアを食いに来た事だけは覚えている。


職業体験終了後、それぞれの班が今回の体験を通じて何を学んだかを発表するという授業があった。


他の班の連中はそれぞれ「店の人に色々教えてもらった」とか「まかないで豪華な食事を食べさせてもらった」とか凄いキラキラしたエピソードを語り盛り上がっているのに対しオレ達の班だけは特に他のグループに話す様なちょっとした小話の一つすらなく、無表情に淡々とナヴォーナであった単純労働を羅列していくだけの貧相な発表を展開した。


中学生という多感な時期にただ店で使うだけの人的要因として何の指導もする気もないのに職業体験の受入先として名乗り出たこの「ナヴォーナ」というクソ飲食店の罪は相当に重い。


オレがこの店での職業体験で学んだ事は今現在何も活かされていないし、そもそも基本的にに放置されていただけで何かを体験したという様な実感すらない、単純労働を繰り返し行ったのだという薄っすらとした記憶だけがただフワフワと霞がかった状態で何となく記憶の片隅に残留しているだけである。


しかし明確に言える事はオレはこのナヴォーナという店でコキ使われる数時間の職業体験を通じ得た「労働はクソ」という確かな実感のみは現在のオレという人格にも明らかに継承されているのである。









 
 
 

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