オレとババアと斬新な教育方針
- White Rabbit Entertainmen
- 2021年2月28日
- 読了時間: 2分
更新日:2022年10月11日

オレの母親はマジで他人を育成する能力に欠けている。
幼少期、体操、スイミング、学研や塾等々やたらと習い事をやらされたのだが多くが母親から無理やり習わされたものであった。
しかもタチが悪いのが金を払って習い事を始めさせればそれで満足するという点にある、効果測定をしないのだ。その後、きちんと能力が伸びたのかとか精神的に成長しているのかとか、それをやらせる事によって何かしら変化があったのかという事に関しては完全に彼女の興味の範囲外らしかった。
こんな話がある。
オレが小学3年か4年のころ「人体の不思議展」という解剖した人間が展示されている博物館に連れていかれた事がある。
四方八方アジの開きみたいになった人間が至る所に陳列されている。それについては特になんとも思わなかったのだが出口の前に乾燥した人間の脳みそに触れられるコーナーがあった。帰る前の最後に一発インパクトを残してやろうという製作者の魂胆が伺える。
オレは気持ちが悪かったのでスルーしそのまま出口へ直進したところ母親に肩を掴まれる。「外へ出る前に脳味噌を触れ」とのお達しを授かる。
オレは本気で触りたく無かったためしばらくイヤイヤと断固拒否していたのだが「ちゃんと触りんさい!!」と一喝され「これは触らないと帰してくれないぞ」という所で全てを諦める。
ケースの中に入っている脳みそへ向け1本の人差し指を嫌々中へと突っ込む、その間出来るだけブツが視界へ入らないよう極力目を逸らしながらも指先が少しだけ触れた、やり遂げたのだ。「オレはやった」とばかりに母親の方を確認する。
彼女はオレの行動を1mmも見ておらず一緒に来ていた叔母と談笑していた。もう自分の子供が脳に触れるか触れぬかという現象に完全に興が失せており、何事も無かったかの様に普通に博物館を後にする。
その後飯を食って帰った。
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