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オレとスローイングストーン

更新日:2022年7月31日


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ある日オレと守下くんは道路を走る車に対し落ちている石を全力で投げつけながら下校していた。


速度を上げて走る車の横っ腹へ落ちている石を全力で投げつける斬新で背徳感のある遊びに彼等はハマったのである。


車にヒットする度、ガツンガツンという音が鳴り響くがわりかし空いている時間帯の幹線道路で速度を出しているためなのか運転手は気づかない。オレ達は様々なフォームを用いターゲットに対し有り余る力を解き放った、オレの人生の中でも1,2を争う程楽しく有意義な時間であった。


かれこれ40~50分ぐらいだったろうか、もう少しで家に着くという所まで石を投げつつ帰ってきたオレ達の向かい側からオッサンが歩いてきた。彼は無邪気に遊ぶいたいけなオレ達を見つけるやいなや「コラッ!!」とドデカい声でオレ達を叱りつけ、そのまま歩き去っていった。


これにより守下くんはビビったのか、自分が悪い事をしていると感じたのか「オレはもうやらない」と宣言しこの遊びに参加しなかった、オレはというと「あんな怒ることないじゃん」と悪態付きながらその後も家に着くまで石を投げ続けた。


その後守下くんはどんなグループともなんだかんだで関係を築けるタイプに成長しオレはというと社会性の無さからイジメられたりハブにされる経験が多かったため自己の世界をより強固にする人間へと成長した。


その人間が将来どういう道を歩むのか、それはちょっとした所作や行動に全て表れていると言っても過言ではないと思う。

 
 
 

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