やりたい時がやり時
- White Rabbit Entertainmen
- 2022年6月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年10月15日

やりたい時がやり時。
小学生時代、母親により何故か貰ったお年玉を2000円までしか使用させてもらえないシステムが導入されていた。当時小遣いなんて貰っていないので正月に貰えるお年玉だけがその年のオレの全ての収入だった。
その頃のオレのゲーム欲は凄まじくゲーム屋に行くというだけで相当に興奮し、嬉ションもやぶさかではないという様な状態だった。
元旦、母親から与えられた2000円を持ち従兄弟達と一緒に叔母にゲーム屋へ連れてってもらう。たぶんブルートとかいうゲーム屋だったと思う。
当時ヴァルキリープロファイルが発売されたばかり、店内には小さいテレビがいくつか置かれ新作ゲームのCMが絶えず流れている。それがまたオレの興奮具合と購買意欲を非常に掻き毟った。
色んなゲームが売られている。この限られた予算で最も己を満足させてくれるソフトを選ぶためとりあえず店内を何周もし物色する。その結果オレはドラゴンヴァラーが非常に欲しかったのだが税込みで5300円ぐらいする。2000円という縛りの中何度確認してもオレの購入選択肢に上るのはsimple1500シリーズのリバーシとかしかない。
とてつもなくゲームは欲しかったのだが2000円では本当にロクなゲームが買えないため結局何も買わないという苦渋の決断をしばあちゃん家へ帰還した。
帰った後母親に無駄金を使わなくて偉いみたいな感じで微妙に褒められたと思う。
恐らく自分のアホなクソガキが我慢をしたという事が嬉しかったとか我慢を学ばせる事が出来たとか思っていたが故の賞賛だったのだと思うのだが、オレからしてみれば別に買いたい所を我慢したワケではなくただ2000円の予算で買えるゲームソフトが全てクソだったから仕方なく買わないという選択を採るしか無かったワケで、オレが何故ゲームを買って帰ってこなかったかという点で思い違いをしているし、これで偉いみたいに言われるのはどう考えても間違っていると当時思った事を覚えている。
そして結局小学校6年の時に貯めさせられた金はいつの間にかどういう訳なのか好きなものに使って良い感じになったというか母親の教育に要する体力ゲージが切れたのか何なのかナーナーな感じになり何か好きなモノに使っても別にどうでも良いみたいな雰囲気になる。そうして当時何となくMDコンポを持っているのがカッコイイと思っていたオレはMDコンポとMDプレイヤーを買う。そしてその後それまで一度も聞いた事もないヒップホップを聞くのが進んでると思っていたのでジャケットだけ見てこれまで存在を全く知らなかったキックザカンクルーBEST ALBUM 2001-2003を6800円ぐらいで買う。こうしてこれまで母親に貯めさせられていたお年玉貯金は物凄いしょうもない使い方でほぼ全部溶けた。
MDコンポやキックザカンクルーのアルバムはその後中学時代に活躍したがその当時のオレにとってはただ背伸びしたいだけのオシャレアイテムとしての機能しかなかった。
たぶん今ドラゴンヴァラーをプレイしても大して面白くないだろうと思う。あの時のあの瞬間のドラゴンヴァラーをオレは買って帰ってやりたかったと思い返してかなり思う。たぶんそれは最高だったんじゃないか。
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