oh!!!!!!!!!!! マンション清掃 #4
- White Rabbit Entertainmen
- 8月15日
- 読了時間: 3分

一応仕事は頑張る。
何故ならオレは造園時代にそう調教されているからだ。車が駐車場に停車したのと同時にドアを開け外へ飛び出し同乗する先輩のも含め箒とチリトリ雑巾のお掃除セットをアホみたいなスピードで用意する。この手の仕事では反射でもうそういう風に動く様にオレの人体や精神は悪の造園組織により改造されている。
同期はクソみたいなオタクな風体で長さは152cmもない未熟児野郎。話しかけてもどうなるのか、何を話すのか、想像がつくのと話しても絶対つまらなさそうなので全く話しかける気が湧かない。体を動かすのはまあ苦にはならない方だと思うのでこの仕事に一応は応募して入ったわけであるが「ここでずっとやってく気しねえ」と初っぱなからダルさを感じていた。
贅沢を言って不貞腐れたところでどうしようもないので己を奮い立たせソイツに話しかけてみる。初期の頃に何を話したのか全く覚えていないが当たり障りない会話をしていたという風には覚えている。
この仕事にはマンションを巡回し地面を箒とかで掃く日常清掃と呼ばれるモノとは別に定期清掃というものもある。高圧洗浄機で地面にコビリ付いた汚れの付着を圧縮した水のパワーで全て吹き飛ばすのだ。
梅崎さんとオレのペア、村田村さんと未熟児ペアでそれぞれ社用車へと乗り込み、オレ達はとあるマンションの定期清掃に臨む。
マンション敷地内のどっかの地中に存在する蛇口にホースを繋ぎ、先っぽに重し目的のアタッチメントを装着しタンクの中に突っ込んで水を溜める。そのタンクへ高圧洗浄機から伸びてるポンプ付きのホースも突っ込みそこから水を吸い上げ機械の力でその水をハイパワーにして手持ちのガンから高圧の水分を出し床を磨く。
新人のオレと未熟児はタンクの水管理係であった。要はやらせる事がないためただの置物になってるポジションである。しかしその中でもやれる事はあり、高圧洗浄機をセッティングするだとな隣の物件に水がハネるのを防止する目的のシートをフェンスにかけたりとかそういったことはやる。
梅崎と村田村が高圧洗浄機に繋がっているガンから水を噴射して床の汚れを吹き飛ばしていく、そんな中チビが「ちょっと喉乾いたんでコンビニに水買いに行って良いですか?」とか言いだし作業中に外れて水を買いに行きやがった。その時オレは「うわぁコイツアホだなぁ」と思った。しかもそう言って出ていったきり30分ぐらい経っても戻ってこなかった。
入社して間もないこの時点で既に思っていたのだけど肉体労働系の業務内容の割にこの人らは品が良い、まあマンション巡回清掃なのでトビとかその手の土木系に就く連中とはガラはマシだろうとの考えがあって応募したし、実際面接の時に担当した課長やジョーさん、社長の人柄もまあ少なくとも表面上はまともそうな印象を受けた、そこもあって大丈夫そうなので入ったってのもあった。恐らくあんまヤカラ的なのは入れないようそこは面接で絞ってるんだと思うけど。このチビの「水買いに行く事件」オレがいた小島松風園という造園屋でやったらそら総無視か、これキッカケで全員から嫌われ死ぬ程イジメられて辞めざるを得なくなるレベルのこと。オレはそういう場所での経験があるのでこのチビのこの自由勝手な気ままな振る舞いに対し彼の経験不足さと頭の悪さと空気の読めなさを感じた。
後に村田村と話していた際にこの件について話題が出て「アイツマジふざけんなよ、タンクに入ってる水飲めよと思った」と言っていたので思ってたのは思ってたんだなと思った。まああたり前だけど。
こうして初回の定期清掃をオレ達は無事終えたのである。
続く。
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